『桃太郎メーカー』× ナポレオン
という、世界史と日本昔話が正面衝突した危険な組み合わせです。
まずは結果を、感情を捨てて見ていきましょう。
※なお、ここから先は昔話としての整合性を一切考慮しません。

物語全体について
物語の正式名称は、
昔話『ナポレオン太郎』
この時点で、
桃太郎というブランドはほぼ消滅し、
ナポレオンが主役であることだけが強調されています。
もはや昔話というより、
偉人の転生譚です。
【誕生】古びた金庫から生まれる英雄
物語は、
お爺さんとお婆さんが住んでいるという
極めてオーソドックスな導入から始まります。
しかし、その平穏はすぐに破壊されます。
川上から 『古びた金庫』が ドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
桃ではありません。
金庫です。
しかも「古びた」。
これはもう、
・過去の栄光
・封印された野望
・こじ開けてはいけない何か
そういったものの象徴だと考えられます。
【命名】古びた金庫ナポレオン太郎
金庫を割ると、中から元気な男の子が誕生。
ここまでは良いのですが、
次の一文が致命的です。
名前を 『古びた金庫ナポレオン太郎』 と名付けられました。
情報量が多すぎます。
・出自
・状態
・本名
すべてを一気に名前に詰め込むという、
極めて乱暴な命名です。
しかも、
(面倒くさいので以後:ナポレオン太郎)
という公式略称付き。
これはもう、
作者すら扱いきれていない名前です。
【旅立ち】鬼退治へ向かうナポレオン
成長したナポレオン太郎は、
当然のように鬼退治へ出発します。
ここまでは、
まだ桃太郎の原型を保っています。
問題は、
お供の人選です。
【お供】人材選定が完全に終わっている
ナポレオン太郎が道中で出会った最強のお供は、
以下の3名です。
- 新入社員*
- IT社長
- *ムササビ
この並びは、
完全にジャンルが一致していません。
・労働力
・資本
・野生
すべてを揃えにいった結果、
現代社会と自然界が混在しています。
ナポレオン、
軍隊編成の概念を
だいぶ拡張しています。
【報酬】腰につけた自作のポエム
ナポレオン太郎は、
彼らに報酬として
『自作のポエム』
を一つずつ分け与え、
家来にしました。
・金でもなく
・武器でもなく
・団子ですらなく
ポエム。
これは完全に、
精神性で人を従わせるタイプの支配者です。
カリスマの方向性が、
だいぶ文学寄りです。
【決戦】ラスボスが黒歴史
ついに舞台は鬼ヶ島。
そこで待ち構えていたラスボスは、
『黒歴史』
鬼ですらありません。
概念です。
つまりこの戦いは、
外敵との戦闘ではなく
自己との戦いです。
ナポレオンが最後に倒すべき敵として、
これ以上適切な存在はありません。
【結末】なぜか教科書に載る
激しい戦いの末、
ナポレオン太郎は 伝説の勇者として歴史の教科書に載る
ことになります。
・出自は金庫
・家来は新入社員
・武器はポエム
にもかかわらず、
結果だけは一流です。
歴史とは、
勝った者が書くものなのです。
総合評価:ナポレオンは桃太郎に向いているのか?
結論から言うと、
かなり向いています。
- 生まれからして異質
- 人材活用が極端
- 精神論で部下を動かす
- 最後は黒歴史を倒して美談化
これはもう、
英雄のテンプレ構造です。
まとめ(ユーザーの皆さんへ)
この結果を見て、
- 自分の昔話が気になった人
- ナポレオン以外も放り込みたくなった人
- 黒歴史と戦う展開に共感した人
ぜひ、『桃太郎メーカー』をお試しください。
あなたもきっと、
何かしらから生まれます。
※本記事は、
ナポレオン・桃太郎・金庫・ポエム・黒歴史の
いずれにも一切の責任を負いません。