おとぎの世界相関図メーカー

「めでたし、めでたし」で終わる物語の裏には、語られなかった複雑な人間関係が存在します。 うそこ大学・メルヘン社会学部が開発した『おとぎの世界相関図メーカー』は、もしあなたが童話の世界に転生した場合、どのようなポジションで社会に組み込まれるかをシミュレーションする装置です。

今回のサンプルデータを見てみましょう。「巨人」に金づるにされ、「運転手」に密告されながらも、「馬」や「犬」とは心を通わせている。 これは、権力（巨人）に搾取されつつ、現場の労働者（馬・犬）と連帯する、中間管理職の悲哀そのものです。 この過酷なファンタジー社会を生き抜くための戦略を、いくつかの視点から解説します。

１．「財布代わり」からの脱却と経済防衛

「豆の木の巨人」に財布代わりにされている。これは明らかに経済的なDVです。 巨人の要求額は天井知らずでしょう。このままでは破産が確定しています。 搾取の構造から抜け出すために、1億円メーカーで巨人をも買収できるほどの財力を身につけるか、あるいは詐欺メーカーで「金のなる木は枯れました」と巨人を騙す話術を習得する必要があります。 それでも搾取が止まらない場合は、警告メーカーで巨人に対する接近禁止命令（アラート）を発令しましょう。

２．「人外」とのコミュニケーション能力

「馬車の馬」と友達になり、「花咲じいさん家の犬」に純情な感情を抱く。 あなたの適性は、人間界よりも動物界にあるようです。 言葉の通じない相手と心を通わせる能力は、一種の才能です。 その能力をさらに伸ばすために、ワイルドメーカーで野生の勘を取り戻し、Aチームメーカーで動物たちと最強のキャラバン隊を結成してみてはいかがでしょうか。 もしかすると、人間不信のあなたを癒やすのは、彼らかもしれません。

３．「密告」という組織のリスク

「カボチャの馬車の運転手」からの密告。これが最も危険な兆候です。 運転手は、あなたがどこへ行き、誰と会ったかを知り尽くしています。 彼が何を密告したのか？ その内容を探るには名探偵メーカーを雇って逆探知を行うしかありません。 もし、身に覚えのない罪で指名手配されそうになったら、ウォンテッドメーカーで自身の賞金額を確認し、逃亡生活の資金繰りを年収メーカーで計算しておくのが、追われる者の嗜みです。

４．物語の「続き」を紡ぐ

この相関図は、物語のワンシーンに過ぎません。 巨人に逆襲し、動物たちと革命を起こし、密告者を成敗する……そんな「その後」の展開はどうなるのか？ ファンタジー家系図メーカーを使えば、この混沌とした人間関係が後世にどう語り継がれるかを知ることができます。 また、もしこの世界観に疲れてしまったなら、白雪姫メーカーやコビトメーカーなど、別の童話世界へ亡命（引っ越し）し、新しいキャラクターとしてリスタートするのも良いでしょう。

結論として

おとぎの国も、楽ではありません。 しかし、馬や犬といった「種を超えた友」がいる限り、あなたの物語は孤独ではありません。 さあ、巨人の目を盗んで、馬車で走り出しましょう。